献上唐子とは

三川内焼は江戸時代より平戸藩の御用窯として、産地全体で幕府や朝廷への献上品を制作していました。
藩よりの保護を受け時間や技術・材料を惜しまず完成度の高い焼き物を追求していました。
絵柄は、伝統的に三川内焼きで描かれてきた『唐子絵』が中心です。その他、草花や生き物など
様々なモチーフがあります。『唐子絵』は、江戸時代に『献上唐子図』と言われ藩の命により
『七人唐子図』が献上品として描かれていました。この『唐子絵』は、三川内焼きの絵付けでは、
産地の特徴的な図柄として現在でも代表的な図として残っています。

唐子蓋付飯碗
    江戸時代末期の献上唐子図 蓋付碗(古平戸)

 

 
古平戸唐子花瓶
       十五代 献上唐子図 花瓶
窯の歴史

三川内焼は、十六世紀末 当時の平戸藩主 松浦鎮信公が、「朝鮮の役」の時 平戸に連れ帰った 陶工達に焼き物を作らせたのが始まりとされます。そのため三川内焼は別名平戸焼といわれます。 その後、良質の陶土を求めて陶工達がたどり着いたのが、当地三川内です。 当窯の祖先で三川内天満宮に祭られる「高麗媼」も、元和八年(1622年)に三川内長葉山に開窯したと され、平戸松山窯もその流れを脈々と今に引き継いでおります。 作品の主流は『染付』です。 染付とは、焼物の焼成前の生地に焼き上げると藍色に発色する「呉須」を用いて絵を描く技法です。 青一色で、人間の表情や草木の瑞々しさを表現しなければならないため、 細やかで熟練した描写技術が必要とされます。


 
細い筆先だけを使った 線描き
 
手書き龍絵

 
大きな筆でたっぷりと呉須をもたせて
ボカシをいれていく濃み(ダミ)の技法

 

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